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学資保険の満期金について平均的なモデルで検証してみた

【目 次】
  1. 教育資金、いついくら必要?
  2. みんなはどうやって準備している?
  3. 保険料、どうやって決めている?
  4. えっ!まさかの元本割れ
  5. 学資保険活用
  6. さいごに

1.教育資金、いついくら必要?

一般的に言われているのは

まずはこちらの表をご覧ください。

幼稚園の教育費用(年間)
公立 私立
230,100円 487,427円
小・中・高校の教育費用(年間)
小学校 中学校 高校
公立 私立 公立 私立 公立 私立
305,807円 1,422,357円 450,340円 1,295,156円 386,439円 966,816円
参照:文部科学省「子どもの学習費調査」(平成24年)
大学入学時の初年度学生納付金

単位:円

入学料 授業料 施設
設備費
実験
実習料
その他 総計
私立
文科系
246,749 742,478 160,019 10,430 64,286 約122.4万円
私立
理科系
265,595 1,043,212 187,236 67,397 68,462 約163.2万円
国立 282,000 535,800 約 81.8万円
私立
短大
246,988 696,332 175,588 44,909 99,111 約126.3万円
参照:文部科学省「私立大学等の平成25年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果について」

今まさに生まれたばかりの赤ちゃん。近いうちにこれだけの教育費が必要になってきます。ちなみにこれは「教育費」です。「生活費」は別途かかりますので、お忘れなく。

ところで、この数字を見ただけで、どのように教育費を準備するのか詳しくイメージできる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?

「とりあえず満期300万円くらいの学資保険に入っておけば間違いないだろう。」と考えた方、一度頭の中を白紙に戻してください。

あなたの大切な人のために、あなたの大切な財産をどうするか、というお話です。 「とりあえず」、だなんてもったいないし、危険です。

視覚的に直してみました

私自身そうでしたが、数字だけではイメージが難しいです。では視覚的に直してみましょう。

比較してみると、私立の教育費の高さが際立ちますね。また、程度の差はあれ、大学初年度に一番お金がかかることが分ります。

では、ここにさらに、親の収入を書き加えてみましょう。

両親共働き(夫:月収30万円、妻:月収15万円、ボーナス合計60万円)の家庭で、子どもが生まれたとき両親とも30歳、妻の育児休暇は1年だったとします。

夫は勤続5年ごとに、2%の昇給があるとします。生活費・家賃等は月額24万円だと仮定します。

図の青い部分は削ることが難しい基本的な支出(生活費・家賃等)を表しています。その上に緑・赤で積み重ねている部分が教育費です。

公立の緑の部分は基本的な支出の上に少し乗っている程度、シルエットはさながらマッチ棒です。一番比率が高くなるのはやはり大学初年度。

ここに挙げた支出の中では、その年の支出の22%が教育費として使われることになります。

それでも、収入より支出が270万円ほど下回っていますので、衣料品を購入したり外食をしたり、あるいは貯金や各々保険に加入するなど、上手にやりくりすれば生活が苦しい、とまではいかないかもしれません。

私立の赤い部分をみてみましょう。基本的な支出と同額とまではいかないものの、全体の支出の中で大きな割合を占めています。

大学初年度には、35%が教育費として使われることになります。その年の収入からすると、170万円ほどしか余裕がありません。この中から、基本的な支出以外の支出を賄わなければならないのです。

さらに細分化してみました

では、大学初年度に限って、収入・支出を細分化してみてみます。

夫(48歳) 妻(48歳) 子ども(18歳) 合計
収入 442万円 180万円 0円 622万円
収入合計 622万円
食費 9万円×12ヵ月 108万円
家賃 8万円×12ヵ月 96万円
光熱費 3万円×12ヵ月 36万円
雑費 4万円×12ヵ月 48万円
私費(小遣い) 2万円×12ヵ月 1万円×12ヵ月 2万円×12ヵ月 60万円
保険料(学資以外) 6万円×12ヵ月 4万円×12ヵ月 1万円×12ヵ月 132万円
車ローン 3万円×12ヵ月(残2年) 36万円
教育費 0円 0円 まとまった金額 ○○円
支出合計 516万円+まとまった金額(教育費)

先ほどのグラフでは170~270万円の余裕があったはずなのに、こうしてみると、年間の余裕資金は106万円程度になってしまいましたね。

外に働きに出ている夫・妻の私費をみてみると、かなりの倹約家であることがうかがえます。それでも月々に直すと、自由にできるお金は8.8万円程度です。

あなたの収支を上の表に当てはめたとき、余裕資金はどれくらいになりましたか?

また、この年は設定では大学初年度、でしたね。国立大学は81.8万円、私立理系では163.2万円が4月初めに準備できていなければいけません。(前期・後期で授業料を納める場合でも、少なくとも見通しくらいは立てておきましょう。)

さらに子どもの一人暮らしがスタートする場合、新生活の準備(引っ越し代・敷礼金・家具家電費用)にもお金がかかります。

その費用の相場は、平均48.3万円といわれています。

(参照:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(国の教育ローン利用勤務者世帯)」平成25年度)

子どもが1人の家庭では、上の表に当てはめることで自分の収支の現状や予測をすることができますが、2人、3人となるとこう単純ではありません。

そして、親の年齢、きょうだいの年齢差によっても、各家庭でかなりの差が出ます。

一般の個人で数十年分の計算をするのは大変な労力が必要となりますし、大切な要素が抜けてしまう恐れもあります。

生涯設計のプロであるFPなど、専門家の力を借りることも時には必要です。

→おすすめの無料相談窓口はこちら

2.みんなはどうやって準備している?

ここでは、ごく平均的な同じ条件の家庭がどのように教育資金を準備し、子の大学卒業時にどんな違いが出たかを比較してみましょう。

設定
夫(30歳) 一般企業勤務のサラリーマン。月収30万円、ボーナス60万円。
妻(30歳) 一般企業勤務のパート。月収15万円、ボーナスなし。
長男(0歳) 10月生まれ。
2年前の結婚を機に家賃月8万円のアパートに引っ越し。子の誕生時に夫名義の自家用車を購入(5年ローン、3万円/月、ボーナス払いなし)

財産切り崩しAさん一家

第1子を妊娠した妻。初めてのお産ということもあり、大事をとって産休中は安静に過ごしました。無事に長男を出産。10月のことです。

復職に向けて保育園を探す中、ママ友から学資保険の話を聞きました。帰宅した夫に学資保険、どうする?と聞くと、まだ生まれたばかりだし大学受験なんて気が早いよ、ファミリーカーを買ってしまったばかりだから保険料を払うのは大変だよ、とあまり乗り気でない返答をされました。

妻も、復職できるかわからないという不安から、それ以上考えることもしませんでした。

5年後、車のローンが無事完済となりました。妻もフルタイムで働けるようになり、長男を連れて一家で旅行を楽しむ余裕も出てきました。

そんな頃、夫の祖父母からランドセルを買ってあげようと話があり、夫婦は改めて教育費について考えることになりました。

夫にも妻にもいくらかの自由にできるお金があり、その額は合計で200万円をこえるくらいでした。

夫婦は共に国立大卒で、大学入学時にかかった費用は100万円少しだった、という記憶がありました。

それならば、この200万円があれば大学進学は問題ないだろうと、息子の名義で通帳を作り、定期預金で保管することにしました。

長男が小学校5年生になったときです。仲の良い友達が、私立の中学に進学を考えていて、自分も一緒に行きたい、と言い出したのです。

幸い長男の成績は上の中。能力としては十分受験合格できると思いましたが、念のため、学習塾に通わせることにしました。

塾の月謝は月1万円です。夫は私立行きにはあまり賛成していなかったので、妻の貯金を切り崩す形で、塾の費用を捻出しました。

通塾の甲斐あって長男は私立に合格。しかし教育費は公立の約3倍。成績を落とさないために、学習塾を辞めることができませんでした。

このころには夫も長男を応援し、学費もきちんと用意してくれました。しかし妻の貯金は底をついてしまい、高校は何とか公立に、と願うようになっていました。

長男は公立高校に進学。家計が苦しいことを察してアルバイトも始めました。学習塾も辞めて、夫婦はほっと一安心です。

しかしまた私立大学へ進学するかもしれない、という懸念があったため、新調したばかりの車を二束三文で手放すことにしました。

いよいよ大学受験。長男は本命の国立大学と、滑り止めに私立大学を受験しました。国立大学は落ちてしまいましたが、私立には合格しました。

「ああ、また私立か…。」と夫婦が頭を痛めていると、見かねた夫の祖父母が、所有していた農業用地を急いで売却して、学費の一部を負担してくれました。

長男も奨学金制度を利用し、アルバイトをして、何とか4年間頑張りました。

そして大学卒業。長男は一般企業に就職。

夫婦は私大学費のために自身の養老保険を解約していました。長男に残されたのは、貸し付けを受けた奨学金300万円を15年かけて返済する義務でした。


計画的に準備Bさん一家

第1子を妊娠した妻は、産休中に学資保険を探しました。子どもが生まれてからでは、自由に動けないと先輩ママさんから聞いていたからです。

とはいえ、夫はいつも通りの土日休みなので、人気の保険会社をいくつか見繕っていましたが、夫婦そろってセールスマンから話を聞くことができませんでした。

そこで目を付けたのが、ママ友からも評判のいい総合保険相談窓口でした。

FPに相談してみると、まずは自分たちの経済力を知ることから始まりました。

公立・私立の学費の違いや、子の成長につれて自身も年を取ること、いつどんな支出が発生するかなど、細かくシミュレーションをしてもらいました。

そのうえで、満期の時期、金額、一時金の有無、保険料の支払い方法を決め、子の誕生前の9月を契約月として学資保険に加入しました。

長男が無事に誕生。10月のことです。妻は保育園が決まると翌月には復職しました。

5年後、車のローンが完済。FPにすすめられていた通り、次車を新調するときのために、支払っていたローンと同額の定期貯金を始めました。

そのころ、夫の祖父母からランドセルを買ってあげると申し出がありました。夫は思い切って、長男の教育資金を援助してくれないか、と祖父母に頼んでみました。

孫の役に立つなら、と快諾してくれたので、以前お世話になったFPに改めて相談してみました。

すると、以前に契約した学資保険は17歳満期で一時金がないタイプだったので、17歳以前に急な学費が必要となった時に元本割れさせずに活用できるよう、金利は低いが定期預金などを利用してみてはどうかと提案されました。

夫婦も祖父母も納得し、利率が比較的良い地方銀行の10年物の定期預金を利用することとしました。(直系尊属からの教育資金の贈与だったため、1500万円まで非課税。Bさんも課税対象額以内だったので贈与税は非課税の適用を受けました。)

長男が11歳時、急に私立中学を希望したため、夫婦は改めてFPに相談しました。

その時点での夫婦の預貯金と、私立に必要な学費を改めて照らし合わせたところ、受験が終わった時点で塾を辞めれば、15歳時まで学費は大丈夫、ということが分りました。

また、中学3年になったら祖父母が出資してくれていた定期預金が10年満期になるので、高校進学も困らないという見通しが立ちました。

長男は私立中学に進学。

高校は公立に進みました。長男がアルバイトを始めたのを見て、再び夫婦はFPに相談しました。車を新調するのに積み立てていた定期預金が希望額に達したためです。

実際のところ、自家用車の使用頻度が低く、今すぐ新調するべきか、長男名義に出来るまで待つべきか、大学進学に備えて保有しておくべきか、迷っていたからです。

FPからは、優先順位をつけるといいですよ、とのアドバイスを受けました。そこで定期預金の470万円は、そのまま教育資金として保有することにしました。

いざ受験してみると、国立は不合格、私立は合格となりました。

ここでBさん一家の教育資金は、夫の学資保険満期金300万円、祖父母出資の200万円-公立高校3年間の実費116万円=差額84万円、定期預金の470万円、計854万円でした。

初年度に必要なのは163.2万円、以降は136.6万円×3年=409.8万円で、計約573万円でしたので、残額281万円は長男の成人式費用や、夫婦の車を新調する費用に充てることができました。

長男は大学を卒業後、一般企業に就職。奨学金を借りずに済んだので、その分貯蓄に励むことができました。

実は多い「Aさん一家」タイプ

なぜ、ここまで開きが出てしまったのでしょうか?その原因は以下の5点にあります。

① 自分の家庭の経済力が掴めていなかった。
② 「私立」の可能性に対して全く準備をしていなかった。
③ 教育資金準備が大学のみを照準にしており、それ以外への備えがなかった。
④ 大きなお金を用意するのがいつも急であった。
⑤ 嫌なことを後回しにしてしまった。

①の「自分の家庭の経済力」を知ることはとても大切です。1ヵ月、1年、5年、10年の単位で、いくらの収入があり、いくらの支出が予想されるかを知ることによって、いつどんなことにいくら使えるのかを予測・計画することができます。

お金は生活費、教育費、私費など、ばらばらに出ていきますが、収入の経路は限られています。

また、収入の額が同じ家庭でも使い道が同じとは限りません。

住まいが賃貸であるか持ち家であるか、戸建てであるか集合住宅であるか、都市部にあるか郊外にあるかなど、今の自分たちの状況を把握しなければ、将来の計画を立てることはできません。

②について。Aさん夫婦は自分たちの経験をもとに長男の大学進学時の準備をしたわけですが、これだけでは情報が少なすぎます。

200万円の貯金も、たまたま持ち合わせていたから決まった金額です。また、長男が5歳の時に大学進学費用の全額を用意する必要はありません。

17歳、ないしは18歳の進学時に必要な額が用意できていればいいのです。

③について。こちらも情報不足です。学習塾に通う可能性や、私立中学に通う可能性が全く頭にありませんでした。

塾に関しては、辞め時が分らなくなり、結局お金に困るまで通ってしまいました。本当に通塾が必要だったのか、客観的な目がほしかったですね。

④も問題です。Aさん夫婦は、いつも行き当たりばったりでお金を用意しようとしました。

車の新調も、もう少し自分たちの状況が分っていれば慌てなかったでしょうし、売却するにしても計画を立てていれば「二束三文」で買い叩かれなかったかもしれません。

また、夫の祖父母も早い時期に相談を受け、心積もりができていれば慌てて土地を売却せずにすみました。

「Aさんの祖父母は土地を売却したのに、なぜBさんの祖父母は200万円も用意できたのか?」その答えは、祖父母の年齢です。

Aさんの祖父母が土地を売却したのは孫が18歳の時です。一方、Bさんの祖父母が200万円を出資したのは孫が5歳の時です。

その差およそ13年。祖父母の年齢を推察するに、孫が生まれた当時、50~60歳ではなかったかと思われます。

孫が5歳の時、55~65歳。退職金が入ったころですね。13年後、二人は完全に年金暮らしです。

何か持病ができて治療費が必要になっているかもしれませんし、老後に備えたい気持ちがあったりして、現金をそばに置いておきたい気持ちが強かったのかもしれません。それで土地を売却するしかなかったのですね。

⑤嫌なことを後回し。これが一番の元凶です。ママ友から学資保険の話を聞いたときに、きちんと夫婦で話し合っていれば、もっとたくさんの選択肢があったのです。

学資保険でいえば、子の誕生前に加入できる商品も多く出ています。そして早くに加入していれば、総払込額も月額保険料も安く抑えることができるのです。

祖父母に相談するタイミングも、言いづらいからとぎりぎりまで先延ばしにしてしまったため、状況がどんどん悪くなってしまったのです。

奨学金にしても、頼らざるを得ない状況だったために、手を出してしまいました。本来はBさん一家と同じ条件なのですから、奨学金を借りずとも大学を卒業できたのです。

Aさんほど無計画な人は、なかなかいないのではないか、と考える方もいるかもしれません。しかし、この数字をごらんください。

奨学金を受給している学生の割合
大学学部(昼間部) 大学院修士課程 大学院博士課程
52.5% 60.5% 66.2%
参考:日本学生支援機構「学生生活調査」(平成24年度)

学生の半数以上が、程度の差はあれ奨学金を利用していることが分ります。中には始めから奨学金を教育費の中に組み込んで考えている家庭もあるようです。

しかし、日本の奨学金制度のほとんどは、返済の義務があります。

Aさん一家の長男も15年かけて300万円を返済しなければなりません。社会人になると同時に、300万円もの借財を抱えているのと同じです。

日本では最近、結婚したくても結婚できない若者の問題が取り沙汰されていますが、その理由の一つに挙げられるのが、経済力です。

つまり、お金が無くて結婚に踏み切れないのです。安易に奨学金を借りてしまったがために貯蓄ができず、金銭的に自信が持てない大卒者が多いのではないでしょうか。

晩婚化に陥ると、子どもをもつ年齢も高くなります。そうすると十分な教育費を準備するのが難しくなり、その子もまた奨学金のお世話にならざるを得ない、という悪循環(いわゆる「負のスパイラル」)に陥る可能性もあります。

しかし現状は半数以上がAさん一家状態なのです。教育資金を計画的に準備する大切さを、認識していただけたでしょうか。

3.保険料、どうやって決めている?

Bさん一家の家計簿から学ぶ

Bさん夫婦がFPに相談して初めにしたのは、自分の家庭の経済状況を知ることでしたね。

以下が、長男誕生の年の年間収支予想でした。

夫(30歳) 妻(30歳) 子ども(0歳) 合計
収入 420万円 108万円 0円 528万円
収入合計 528万円
食費 6万円×12ヵ月 72万円
家賃 8万円×12ヵ月 96万円
光熱費 3万円×12ヵ月 36万円
雑費 4万円×12ヵ月 48万円
私費(小遣い) 3万円×12ヵ月 2万円×12ヵ月 0円 60万円
保険料(学資以外) 6万円×12ヵ月 4万円×12ヵ月 0円 132万円
車ローン 3万円×12ヵ月(残4年) 36万円
教育費 0円 0円 ?円 ○○円
支出合計 480万円+○○円(教育費)

妻は長男1歳で保育園に預け、復職することを予定していました。育児休業中は、妻の収入は、育児休業手当(給料の6割)でしたので、

180万円×6割=108万円

となっています。こうしてみると、この年の余剰金は48万円、月当たり4万円であることが分ります。

この4万円が、教育費に充てられるリミットであると、夫婦は知ることができました。

また、自治体に問い合わせたところ、保育園は夫婦の収入から月額2.7万円であることもわかりました。

そこで、保育園に通い始めて以降の収支を、次のように修正しました。

夫(31歳) 妻(31歳) 子ども(1歳) 合計
収入 420万円 180万円 0円 600万円
収入合計 600万円
食費 7万円×12ヵ月 84万円
家賃 8万円×12ヵ月 96万円
光熱費 3万円×12ヵ月 36万円
雑費 4万円×12ヵ月 48万円
私費(小遣い) 2万円×12ヵ月 1万円×12ヵ月 0円 36万円
保険料(学資以外) 6万円×12ヵ月 4万円×12ヵ月 0円 132万円
車ローン 3万円×12ヵ月(残3年) 36万円
教育費 0円 0円 33万円+学資 ○○円
支出合計 501万円+学資保険料

夫婦は私費をそれぞれ1万円ずつ抑え、長男分の食費を1万円プラスしました。

そうすると、学資保険料に充てられる金額は、年間99万円、月当たり8.2万円であることが分りました。

ここでFPから、財産の分割管理をアドバイスされ、大学進学のための費用は学資保険で、その途中にかかる教育費は途中で引き出しても元本割れしない貯金で用意することにしました。

子の誕生月が10月で、生まれる前の9月に契約しました。

子どもが成長した時、万が一大学が秋入学になっていたら困るので、17歳時契約応当日に満期金300万円が受け取れるよう設定しました。保険料は月払いで14,250円でした。

ここまでの計画を、FPに最初に相談したときにしておきました。この後Bさん夫婦は何度となくFPに相談していますが、都度こうした設計をしています。

Bさん夫婦が気軽に相談できたのは、無料の窓口だったからです。最初に相談相手を見つけられたことが、後々の勝因となったようです。

Bさん一家が活用した学資保険は?

ここに、Bさん夫婦が活用した学資保険を挙げておきます。ご参考までに。

最初の学資保険
かんぽ生命 はじめのかんぽ
17歳満期時300万円。
保険料払込期間:17年。
一時金なし。
契約者:30歳
被保険者:0歳(誕生前)
月額保険料:14,250円 合計受取額:300万円+配当金
総払込額:291万円 返戻率:103.1%

4.えっ!まさかの元本割れ

貯金とは違う保険商品の「リスク」

貯金と保険商品、利用者にとって、何が違うのでしょうか。それは原資が減る可能性の有無です。

貯金商品は、基本的には原資が減ることはありません。定期預金など、満期前に引き出したとしても、適用利率が下がるだけで、原資は減りません。(手数料がかかる場合は別ですが。)思いのほか利息が付かなかった、という印象から、損をしたような気分にはなりますが、実損はないのです。

一方で保険商品は、元本割れ(払い込んだ保険料より受け取る金額が少なくなる)があり得る商品です。

学資保険でも、プランによっては初めから返戻率が100%を切る商品もあります。100%を超える設定にしていても、途中解約したり、契約者貸付制度を利用したりすると高い確率で元本割れします。


加入時の計画が大切

では、双方うまく活用するにはどうすればよいのでしょうか。

資産の流動性を考えることがポイントではないでしょうか。実損を出さないためには、保険商品は流動性を下げる(ちょこちょこ動かしたり、変えたりしない)必要があります。

貯金などの金融商品は流動性を上げる(金利の高い商品に積み替えたり、必要時に引き出したりする)べきです。

どちらもスタート時によく商品を比較し、時にはFPなど専門家のアドバイスを受けながら、計画的に資産形成をすることが大切です。

勿論、途中で見直しをすることも必要です。Bさん一家がよい例ですね。

5.学資保険活用

学資保険の特性を知る

学資保険の不利な面は前述のとおりです。では、返戻率がよいことだけが、学資保険の優位性でしょうか。

実は、二重の節税になるのです。毎月支払う保険料ですが、年末調整時に生命保険料控除の対象になります。

10月を過ぎると、加入している保険会社から、ハガキや封書で控除額のお知らせが届きますので、きちんと手続きをしましょう。

自営業の方は、確定申告で控除を受けることができます。

また、満期金や祝い金の受け取り時、受け取ったお金は所得税区分上一時所得となり、課税対象になりますが、多くの場合は計算していくと課税所得がマイナスになるので、税金がかかりません。

課税所得=(収入金額-必要経費-特別控除50万円)×1/2

Bさんの例を当てはめてみると、

(満期金300万円-払込保険料総額291万円-特別控除50万円)×1/2=-20.5万円

となりますので、やはり税金はかかりません。

このように、貯金にはない学資保険の特長などを知り、うまく活用するのが得と言えます。


6.さいごに

金融商品の向き・不向き

「1円も損をしたくない」と「1円でも得をしたい」は、同じようで実は違います。前者は元本割れや原資の減少を避けたい、という性格であり、後者は返戻率や利率の良さを追求するものです。

自身の性格や家庭の経済力を知り、どちらが自分に向いているのかを検討することが必要です。

返戻率の良さだけで決めない

いくら返戻率がよくても、必要なタイミングで必要な金額を準備できなければ、その保険はあなたの役に立ったとはいえません。

加入方法、契約日、満期までの保障期間、保障の大きさ、一時金の有無、契約者は誰にするか、受取人は誰にするかなど、あなたとあなたの家族のライフステージにあった保険を探してみてはいかがでしょうか。

→無料の相談窓口はこちら

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